導入事例

ウィルスは生物ではない!?その特徴と対策について

「実はウィルスは生物ではない」ということを知っていましたでしょうか。昨今、新型コロナウイルスの感染拡大により、ウィルスに関する情報は耳にするけど、具体的にどういうものなのかは案外理解できていない方も多いのではないでしょうか。特に、菌とウイルスは同じと捉えている方も多くおられます。菌とウイルスは根本的に異なり、抗菌対策と抗ウイルス対策も異なってきます。

そこで今回は、ウイルスに注目してその特徴と抗ウイルス対策について説明していきたいと思います!

菌は生物、ウイルスは非生物

見出しににもある通り、菌は生物で、ウイルスは非生物です。まず生物の定義は何かというと、
①自己複製する、②細胞で構成される、③代謝を行う、の3つが一般的に生物学では定められています。菌はこの3つを備えているのですが、ウイルスは自己複製しますが、細胞を持たず、エネルギーを作り出す代謝をしません。この3つだけで生物を語ることは難しいですが、菌とウイルスは根本的に違います。

では、ウィルスて何なのでしょうか。下記にて説明していきます。

ウイルスは何層もの脂質でできた保護膜に覆われたたんぱく質(DNA)

ウイルスとは、何層もの脂質でできた保護膜に覆われたたんぱく質(DNA)のことをいいます。ウイルスが考えることはたった一つで、このDNAを如何に増やすかだけを考えています。自分では代謝を行うことができないため、生物に感染し、宿主に増やしてもらうわけです。そのため、ウィルスが眼・鼻または口の粘膜の細胞に付着すると、突然変異コードが変異し、倍々方式で増え侵略していきます。

ウイルスはたんぱく質分子のため殺すことはできない

「ウィルスが死んでもPCR検査で陽性が出た!」など聞いたことがありませんでしょうか。
ウィルスが死ぬ、ということに対しては議論が難しいところはありますが、一般的にウィルスはたんぱく質分子のことを指すので死ぬことはありません。詳細に言うと、死んだウィルスではなく、失活したウィルスと言うのが正しい表現でしょう。

一方、ウイルスを殺すことは出来ませんが、自然に崩壊(減衰)します。ウイルスが崩壊する時間は温度、湿度、どこに付着したかにより異なります。そのため、抗ウィルス対策とは、この温度、湿度、どこに付着させるか、を考えることが抗ウイルス対策となるわけです。

具体的なウィルス対策とは?

このウィルスの特徴を踏まえると、抗ウィルス対策とは何なのでしょうか。具体的に説明していきたいと思います。

石鹸や洗浄剤で脂質の保護膜を破壊

本来ウィルスはとても壊れやすいのですが、脂質でできた何層もの膜に覆われていることが問題で、この脂質の保護膜を取り除く必要があります。脂質の保護膜を破壊することができる石鹸や洗浄剤は有効(泡立ててこすり破壊)な訳です。破壊するためには石鹸をたっぷりと泡立てて20秒以上こする必要があります。

25℃以上の水で手や衣服を洗う

熱は脂質を溶かします。そのため、25℃以上の水で手や衣類、その他を洗うことが有効な理由となります。さらに暖かい水は泡立ちがよいため、より有効となります。

アルコールとアルコール65%以上を含むものは脂質を分解

アルコールがウィルスに有効な理由は、ウィルスを殺すということではなくアルコールはウィルスの外側のたんぱく質を分解します。また、漂白剤(塩素)1対水5の割合のものは、ウィルスの内側のたんぱく質を破壊します。

やってはいけないウィルス対策とは?

ウィルス対策と思っていることが、実はウィルス感染拡大をしてしまっている・・・、ということがあります。こちらもご紹介していきます。

殺菌剤、抗生物質は役に立ちません

上記でも何度か触れましたが、ウィルスは生物ではありません。そのため、生物に対する対策を行っても効果はありません。

服やシーツ、布などを振ってはいけない

ウィルスの活性のスイッチは、どこに付着しているかで決まります。服やシーツ、布に付着しているときは活性化することが出来ず、自然に減衰していくのですが、振って浮遊したウィルスを口や眼、鼻などに付着してしまうと活性化してしまう恐れがあります。そのため、むやみに服やシーツは振ってはいけません。

ちなみに、下記目安時間です。

3時間 :生地
4時間 :銅と木
24時間  :ダンボール
42時間  :金属
72時間  :プラスチック

まとめ

以上より、ウィルスは生物ではなくその特徴を踏まえた上の対策を記載していきました。
しかし、ウィルスを失活させる対策より、空気中に浮遊してるウイルスをどう換気するかが現実的かと思います。

次回はこの換気に関する内容をご紹介していきますので、ご覧ください!